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ある夏のあの時
2020年12月10日 | 雑記

バリアはコミュニケーションがなければ生まれません。 福原悠介

 

段差がバリアになるのはそれを越えてどこかへ行こうとするから、声につまるのも誰かに話しかけようとするからだと、映像作家は言う。

だからバリアフリーというのも、「伝えたいけど伝わらない、やりたいけどできないこと」を別の仕方で乗り越える試みなのであって、「バリアがない」ことではないと。

 

 

 

この言葉に出会って思い出したことがある。

 

2001年から12年間活動してきた「あいあいキャンプ」の2年目のことである。

キャンプ草創期であるが故に、キャンプ場探しに苦心していた頃、当時の津島町社会福祉協議会さんとご縁をいただき、地元の臨江寺さんの本堂を宿泊所に使わせていただたくこととなった。

 

ただ、3度の食事作りを行うために、毎回お寺の外にある岩松川の河川敷まで移動して行う必要があり、障害のある子供たちをそこに移動させるだけでもそれなりの苦労はあった。

特に車いすの子供を移動させるためには数名のスタッフが必要となり、それなりのリスクも生じる。

その姿を毎回のようにご覧になっていたご住職さんにこう言われたことがある。

 

「すいませんね、お寺は石段、階段だらけで車いすの子供さんや介助者さんにご迷惑をおかけしてしまって・・」

 

私はすかさずこうお伝えした。

 

「とんでもないです。ありがたいことだらけです」

「バリアフリーがあたかも正義のように言われることがありますが、私にとってはバリアーがあるからこそ、今のスタッフたちのようにお互いに力を合わせ、協力し、そして車いすの子供の大変さを想像でき始めることができるのです」

「すべてバリアフリーの環境になってしまったら、何も『気づき』が生まれなくなってしまうかもしれません」

「この環境だからこそ、あいあいキャンプはここで行うことがとってもありがたいのです」

 

 

それを聞いたご住職さんは、とても感心してくださり、必要以上の心配をされることをおやめになられたご様子でした。

 

他人のことを自分のことのように理解していく。

そんな環境づくりを目指していた私にとっては、まぎれもない素晴らしい場所でもあったのです。

 

バリアフリーが必要ないとはいいませんが、どこかにこういう体験ができる組織や場所があり続けてくれればいいなぁと思います。

 

 

福原さんの言う、「伝えたいけど伝わらない、やりたいけどできないこと」を別の仕方で乗り越える試みは、「バリアがない」ことではなく、

コミュニケーションさえあれば、

助け合いの気持ちと行動さえあれば、

他人に対する思いやりさえあれば、

「バリア」は生まれないよとささやいてくれているのだと思います。

 

 

 

久しぶりに、ある夏の日差しの中の「あの時」の情景がよみがえってきた瞬間でもありました。

 

 

 

 

 

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