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うつくしい能力
2016年12月16日 | 雑記

『でもなぜ、人間は自分と違うものを許せないんだろう』

小説「大きな鳥にさらわれないよう」川上弘美 の一文

 

朝日新聞に連載されている「折々のことば」鷲田清一 から。

 

“ 「他ならぬこの私」と言うように、「私」という存在の確認は、「~とは異なる」という、他者の否認をつうじてなされる。

けれどもせっかく異質なものに出会いながら、交わるより先にそれを否認することによってしか自分を確認できないのだとすれば、「私」とはなんと哀しく、厭わしいものか。 ”

 

 

「自分」の存在を証明するためには、「他者」を否定することが不可欠であるかのように振る舞ってしまう人間の本質を、短い言葉でついている。

大がかりなヘイトスピーチだけでなく、私たちはついつい家族や友人に対してさえ、「否定」をしている時がある。

そうやって「自分」を守っているのかもしれないが、

家族友人といえども、立派に異質なもの。

それらと出会っていながら、まずは交じりあってますか? と問うている。

交じりあうことで、そして最終的に認めることで、自分を肯定することができるのでは? と問うている。

 

認めるまでには長い年月が必要かもしれません。

幾多のぶつかり合いが必要かもしれません。

しかし、そのプロセスこそが、人間が人間になるために必要なことだと伝えてくれているような気がします。

それをしない「人」であれば、その「私」とは、なんと哀しく、厭わしいものか、 と問うています。

 

この「私」は、それに対して、なんと答えるのでしょう?

 

 

 

もう一つのことば。

 

『あたし、髪が伸びるの速いから』

「賢者の贈り物」 O・ヘンリー

 

“ 貧しくて懸命に倹約にはげむ若夫婦。

それでもクリスマスには伴侶に贈り物をと、妻は美しい髪を切り、夫が大事にしている時計の鎖を買う。

が、

夫は妻のその髪を飾る櫛を買うため時計を売っていた。

哀しくも美しい行き違い。

 

筋は知り尽くしていてもいつも同じ個所で涙腺がゆるむ。 ”

 

 

解説の必要はない。

うつくしいことばのちから。

想像力は素晴らしい能力。

 

 

 

 

 

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