2015.4.17 14:00
5名のオーナーさんと全員同時に、フレッシュリーブス102号室の契約をする。
新たなスタイルのシェアーカフェのスタートである。
ここまで準備を重ねてきた2ヶ月あまりの振り返りと、このシステムの意図と目的の再確認の後、契約書の読みあわせと解説。
特約事項に「思いやり」という言葉がある特異な契約書。
たっぷりと時間を取り、できるだけ丁寧に説明しながら今回のシステムのより深い理解へといざなう。
今までも何度も説明してきた内容ではあるが、繰り返しが大切。
ここまでの協働作業を通して、5人もそれなりにコミュニケーションして来れたはず。
個人の店であり、チームの店でもある新たなチャレンジからいったいどんな世界が生まれてくるのか、とても楽しみである。
それなりに考えてきたつもりではあるが、皆にとっても、私にとっても、地域にとっても意義のある居場所になれば幸いである。
様々なドラマが生まれ続ける場所には、やっぱりドラマチックな人がいる。
その人の姿を見ながら、また人は育ってゆく。
そんな場所であってほしいと思う。
百点よりも
小檜山 博 (理念と経営より)
“ 以前、九州のある高校に講演に呼ばれ、生徒に「なぜ勉強するのか」の題で喋らせてもらった。 その夜のなおらいの席で、ぼくは校長先生に次のような話を聞いた。
「私は貧しい農家に生まれ育ちました。 一人っ子のため、やがては親の農業を継ぐつもりでした。 ところが中学二年のときでした。 クラスに乱暴な男子生徒がいて、よく同じクラスにいるちょっと脚の悪い生徒の歩き方がおかしいと言って笑うんです。
乱暴者の彼はとても勉強ができて体も大きく、家は経済的に豊かでした。 聞いた噂では、彼の父親は子どもに『やられる前にやっつけろ。やられたらやり返せ、それが男だ』と言っているということでした。 なるほどという気もしましたけれど、私は嫌いな言葉でした。
そんなある日、そのいじめっ子が自分の好きな女性の前で、彼女に自分の力を誇示するみたいに脚の悪い生徒に脚をひっかけて転ばしたんです。 そして転ぶ姿を見て笑ったんです。
私は思わず『おまえ、やめろ』と叫んで、転んだ生徒を抱き起こしました。 自分でもびっくりしました。 私はひどく臆病でしたから。
いきなりいじめっ子に頭を殴られました。 彼は『なんだおまえ、勉強もできんくせに正義感ぶって、貧乏人が』と喚きました。 また顔や胸を叩かれました。
すぐに担任の先生が来て騒ぎはおさまりました。 そのあとのホームルームで先生はクラス全員に向かい『いいか、弱い者や困っているいる人を助けることは、テストで百点とるよりもずっと偉いことだということを忘れるな』と言ったんです。
その言葉を聞いて私は、自分も教師になろうと思ったんです。 他人を思いやる心を育てる教育をしようと決めたんです」
校長先生の話を聞き終えぼくは、次からの高校生への講演ではこの話をしようと思った。 ”