10月24日、なんやかやと出発ギリギリまでバタバタする。
なんとか詰め込んで家を出る。
以前オーナーと約束した、由良野の森での焚火。
なんとなく有無を言わせぬ圧力に屈し(笑)、同意してしまったとも言えなくもないが、趣味でもあるので文句はない。
道中のコンビニで晩飯と朝食を調達し、森についたのは夕暮れ近く。
洗礼はヤギのお散歩中のおばさま。。(笑)
やっぱ由良野よね~ 。
さっそく焚火の準備にとりかかる。
日が暮れると、標高640メートルのここは、一気に冷え込む。
この季節、火が絶対の場所。
薪を割り、組み立てて着火と、思いきや・・
ライター忘れた。
まじかー、と半分落ち込みながらゲストハウスで物色し、マッチ発見。
一発で着火し、次第に大きくなる炎を見て安心。
ちょうど出てきた森のオーナーさんと立ち話しながらしばらく過ごす。
食事の後で合流しましょうということで、食事作りへ。
焚火が落ち着いたところへ網を置き、もつ煮込み鍋を火にかける。
一杯やりながらついばむ。
焚火の熱が心地よい。
お次は鍋焼きうどん。
ぐつぐつ煮てからいただく。
気温が低いからなおさらうまい。
ビールも進む。
と、
オーナーご夫婦参上。
久しぶりに焚火を囲み語り合う。
ジャンルも問わず、深さも問わず、思い思いに話が咲き乱れる。
いろんなことがあるから面白いのだが、今ここでしか振り返れないことに感謝する。
それまでを乗り越えてきたという証だから。
もひとり加わり、4名の中年で盛り上がる。
23時まで語りつづけた。
その後ひとりで、炭火に代わっていく焚火を見ながら静かに振り返る。
星々は見事にきらめき、花を添える。
いい時間でした。
ゲストハウスに移動し、布団の上で就寝。 (今まではほぼツリーハウスでシュラフ)
あったかく、上質な眠りでした。
翌朝、朝日を浴びながら瞑想と感謝奉納。
朝食に誘われたので、オーナーの家に移動し、6名で楽しくいただく。
身体によさそうなものばかり、良い感じでした。
しばらくするとこの家の次男と知り合いが帰宅。
にぎやかに過ごした後、私は焚火のあとに移動。
持ってきた昨日の新聞を読みながら、自家焙煎珈琲をいただく。
日の光を浴びて過ごす時間は、別格素晴らしい気持ちにしてくれる。
その後作業場に移動し、ブナの種の選別に参加。
このオーナーさんはNPO活動として、昔あった奥山の復活に向けて行動中。
ほとんどの人が知らない間に、森の木々の種に異変が起きていた。
正常な種がなかなか取れない。
このままでは50年後森がなくなる。
今行動しなければという思いから、いろんな山へ行き、ブナの種を拾い集めてきて、選別し、苗木を育てて植林する。
50年先を見据えた次世代の未来のための活動。
誰もやらないことを、黙々と生活の中で続けていく姿は、一種神々しさを感じさせる。
少しでも役に立てることがあれば、協力していきたいと思う。
その後オーナー夫婦はブナの種取りに出かけ、お客様もお帰りになり、ここの次男と焚火あとに腰を下ろし語りあう。
17歳にして、起業家精神で勉強中の彼の話は、同世代の若者とは一味違う。
こちらもやる気のある若者に対しては遠慮なく本気で話ができる。
私の知る世界を彼に伝え、こんなことも協力できるぞと、たとえ話をする。
今はまだ、想像すらできない世界が広がっているのだから、たとえ話でも新鮮なはずである。
今後、彼からの提案が待ち遠しい気分である。
この場所の冬は厳しい。
もう使わなくなった私の冬服を何着か彼に渡し、帰路につく。
あいあいキャンプの元キャンパーだった小学生が、17歳の頼もしい青年に成長する。
我が子とはまた違った感慨にふける。
余韻を楽しみながら、
秋の風と共に山を下りていく。
いい秋である。