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もう一つの1000円
2012年3月4日 | 雑記

1000円で思い出したもう一つの出来事がある。  息抜きついでに書いておこう。

開業して何年目かのある日、 突然訪問者が現れた。

力なく入って来たおいさんは、俗に言うところのホームレス、ルンペンさん、お乞食さんと見まがうほどのいでたち。

どう見ても調子の悪そうな土色の顔。  ギロついた目。

おまけに口から出た泡がこびりついている。

まあどう見てもお客様ではないようである。

というか、ちょっと危ない。

 

おいさんは怯えたような表情のまま私にこう言った。

「一週間くらい・・ 何も食べてないんです・・・  、     なにかめぐんでいただけませんか」

さすがにこの状態は正常ではないなと思った私は、すかさず財布から1000円を取り出し 「何か買ってお食べなさい」 と言った。

するとおいさんは、 「いえ、タダでいただくわけにはいかないので、何か仕事を下さい」 と言うのであります。

 

ああそうか、 単なる物貰いではなく、仕事の対価としてのお金であれば自尊心も傷つかず、お互い納得のいく 「交換」 となるのか。

「ではお願いします。 ビルの上の階からホウキで順番に掃いて降りてくださいな」

そう言って私の使いなれたホウキを手渡した。

しばらくして戻って来たおいさんに1000円を手渡すと、 安心しながら満足そうに受け取り、何度もお礼を言いながら事務所を出ていかれるのであった。

実のところ私はおいさんとのやり取りをしている間、 彼が神様のように思えていた。  なんでか知らないが、そんな風に思えてならなかった記憶があるので、こんなことを覚えているのだろう。

だからどうしたということは何もないのであるが、 もう一つの1000円の思い出である。

それにしても何かといろんな人が訪ねてくる事務所である。     だが、お金持ちだけはやってこない ・・・  (苦笑)

 

このおいさんには後日談があり、 それからまた何年か経った後、おいさんは事務所に現れた。

今度は少々小奇麗なジャージを着て、顔色もよく、元気そうに現れた。

そしてこうのたもうた。

「前に掃除してお金くれましたねえ、 今日もしましょうか?」

 

私はこう切り返した。

「おおっ、元気そうになったねえ、 顔色もいいじゃない。 それだけ元気なら真面目にお働きよ、 頑張ってねー、 さようならー」

鳩に豆鉄砲のおいさんは、 スゴスゴと帰って行かれるのでありました。

 

それにしても、 私の洞察力を試しに来る神様も、 なかなかやりますなー。。        ハッハッハッ。

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