NHKチーフ・プロデューサーの村松 秀氏のコラムより。
“ NHK・Eテレの「すイエんサー」という番組。
「ゆで卵の黄身をど真ん中に」 「茶柱を必ず立てる」 といったお題に挑むユルめの科学エンタメ番組で、台本は一切なし、ぶっつけ本番のみ。
その番組メンバーは、モデルやアイドルの女子高生だが、東大生に圧勝、京大生にもまた圧勝、北大、そのうち全国大会を開いたら、なんとここでもトップに。
なぜ勝てたのか?
疑う、ずらす、つなげる、寄り道する、あさっての方を向く、広げる、笑うといった方法で思考を豊かにすることを、僕らは「グルグル思考」と呼びますが、これは番組を通じて身につけたからではないか。
東大生は豊富な知識と賢さゆえ直線的思考から抜けられないのに対し、彼女たちは知識や先入観がないこともあり、無駄にも思えるグルグル思考をいとわないのかもしれません。
あれやこれやと考えてはひたすら試す。
グルグル思考こそ未来を切り拓くのに必要な知力ではないかと。
思いがけない展開になりましたが、もともとは、科学とは単なる知識や結果ではなく、考えるプロセスなのだと感じてもらおうと始めた番組でした。
学校も、科学とは知識だという考え方になっているのではないかと疑問に感じていました。
番組をきっかけに同じ問題意識を持つ人が増え、グルグル思考を取り入れる試みがあちこちの教育現場で始まりました。
人材育成をめぐる議論も起きています。
うれしいことです。
科学知識を映像で分かりやすく伝えられるのはテレビのよさではありますが、僕自身はあくまでも科学するプロセスにこだわりたい。 ”
ここにも体験を通してプロセスの大切さを伝えている人がいました。
「思い、考え」 「言葉に出して」 「行動する」
ずっとずっと私も言い続け、体験してきたことですが、たったこれだけで、本当に不思議に「前」に進んでいけます。
たとえ何度の失敗があったとしても、このことを繰り返していくだけで、確実に変化、成長します。
私は冗談抜きで、宇宙の法則だと思っています。(笑)
こんな機会がたくさんある地域や社会であればなあと思いますし、私も引き続き、実験、お試し、体験ができやすい仕組みを考え続けていこうと思います。
「あいあいキャンプ」や「Seed」や「フレッシュリーブス」や「シェアカフェ晴れときどき・・」のような場所と、空間と、機会を。