15日 6時前起床 瞑想の後、朝風呂にて体を目覚めさせる。
朝食の後、宿の周辺を散策。
目の前の勝浦川では、鮎釣りに夢中なる人々がつらなる。
川は滔々とした流れを保ち、数日来続く雨にも一向に濁る気配すらない。
水の色は独特で、四万十川とも仁淀川とも異なる。
同じ四国でも面白いものだ。
食を通しての感想だが、私にはここの水がかなり合うようで、大真面目にうまいと思う。
家まで引き水したい・・・ (笑)
さて、この日のメインイベントはなんといっても「山犬嶽登山」である。
登山と言っても頂上を目指すのではなく、中腹にある「こけの聖地」が目的。
写真でしか見たことがないが、それだけでも感動する。
そこに行こうと思う。
ここは根強い人気があると思うし、この日は雨も上がり、しかしいい感じで靄はのこり、おそらく最高のお日和なので、早々に出発した。
しかし、またまた予想はしていたものの、それを軽く上回る狭い道幅に愕然とした。
途中の何か所か、ギリのギリギリやんけ。。
私の腕をしてもやばいやんけ。
って感じでした。(笑)
道路拡張開発ができないことも理解できるし、文句を言う気はありません。
軽四でくればいいだけの話ですから・・
歩けばいいだけの話ですから・・・
で、何とか駐車スペースにありつき、出発です。
駐車場から登山口までの2㌔ほど、細い車道を歩きますが、その途中に「樫原の棚田」が現れます。
何か所も素晴らしい棚田がある地域ですが、ここもその一か所。
小さな集落の中を進みながら、しかし素晴らしい里山を楽しみます。
農作業中のおばばと、何気ない話を交わしながら、ここに生きてきた人のみが持てる仏様のようなお顔に、心の中で感謝申し上げるのでした。
まあまあ疲れたころに登山口へ到着。
さてここからが本格的な山登りです。
丁寧に間伐された針葉樹林帯を抜けていきますと、
突如現る苔むした世界。
進めば進むほどに色濃くなる桃源郷。
初めての体験でした。
こんな場所があったなんて・・・
すばらしい季節に、素晴らしい場所に来られたことに感謝です。
写真で申し訳ございませんが、おすそ分けです。
時間を忘れる世界でございました。
かれこれこの周辺を楽しませていただいた後、下山します。
3時間ほどの涅槃旅行でございました。
さて、
お昼時も過ぎたことですので、昼食に「いっきゅう茶屋」へと。
二階の食堂で地元野菜の定食をいただきましたが、やっぱりメチャうまでした。。
地元の人はこの味が普通なのでしょうね。(うらやましい)
一階の産直で棚田米を仕入れ、出発。
正木ダム湖に立ち寄りながら、次はいよいよ地ビール屋さんへ。
「RISE & WIN Brewing Co. BBQ & General Store」というお店ですが、すごいセンスです。
昨夜いただいたビールもうまいし、デザインも秀逸。
仕掛け人を尊敬します。
おまけにこの町のゼロ・ウェイスト政策にのっとり、買い物しても袋はありません。
ゴミを作らない思想を貫きます。
ビール買って持ち帰るのに、手持ちの袋がパンパンでした。。(笑)
ここでもバーベキューを楽しめるのですが、人気店のため予約制なので、またの楽しみとします。
裏庭で、ビール片手にBBQを楽しむ人たちの楽しそうな顔をお土産に、いよいよこの町ともお別れです。
最初から最後まで、こんなに気持ちよく過ごすことができた町。
ひとつの思想や理念が、町民の一人ひとりに浸透し、コミットする気持ちがあるだけで、こんなにも伝わりやすくなるものなのか。
町全体が、「学び」にあふれているようです。
オオゴトな予算で、派手なコマーシャルを打つことよりも、
町民の一人ひとりが確かな「意識」を持つだけで、
みんなでこの町を「創るんだ」という「連帯感」が生まれるのかもしれません。
連帯感が生まれたから、
自分以外のお店のために、お役に立てることを、できる範囲でやろうとする。
それが伝染し、グルグルと回り始めると、
この町のように、どこに行っても気持ちよく、明るい気持ちで過ごせるのかもしれません。
なぜこの町の人たちが、不思議なくらい丁寧で明るいのか?
自信があるから。
自分(たち)を信じる力を持っているから。
私はそう感じました。
私たちに、大切な何かを伝えてくれているのかもしれませんね。
日本人が忘れかけようとしている何かを・・・
ps. それにしても、これほど緑と水だらけで、しかも濃度の濃い自然は希でしょうね。
すばらしいところでした。