お山の風景も素晴しいのですが、人様の風景も涙が出るほど素晴しいものがあります。
私が山から戻った連休明けくらいから、東京で働く息子は高熱と倦怠感に苛まれていました。
近所の病院に行っても「風邪でしょう」くらいでありきたりの薬を出しておしまい。
ところが1週間たっても快方には向かわない。 さすがに焦った息子ではあるが、彼のお嫁さんも夜勤があったりで、食事もままならない状態も体験した様子。
お嫁さんも自分が何ともしてやれないもどかしさや、どうにかなってしまうのではないのかと、不安に苛まれる。
2週間たっても一向に良くならず、高熱と倦怠感が続いていれば、誰でも押しつぶされそうになることでしょう。
しかし、親は松山におり、簡単に来てくれとお願いする訳にも行かず、かといって報告しないわけにもいかず、彼なりにさぞかし悩んだことだと思います。
そんな折、彼のお嫁さんは居てもたっても居られずに、埼玉に住む自分の家族に連絡をします。
そのただ事ではない雰囲気に触発された彼女のご両親は、看護師を務める彼女の姉と連絡を取り、息子の住居の近所にある信頼のおける病院を探し出し、手配をしてくれました。
そしてそれだけでなく、彼女のご両親はたまらずに彼の住まいを訪ね、病院にも付き添い、医師とのやり取りを代理し、大丈夫だと確信してからは松山にも連絡や報告をしてくれ、それだけではなく、彼の会社に報告するための診断書の手配さえ行ってくれていたのでした。
ウイルス性のその病は、大事には至らなさそうですが、どうしても安静状態が3週間は必要のようです。 会社にはご迷惑をおかけしますが、この体験も様々な意味で価値のあることだとも思います。 彼らがどのように受け取るかはわかりませんが・・
それにしても、私が感動しましたのは、いくら娘の旦那だからと言っても、1本の電話から、あっという間の判断と、決断と行動の循環が完成したことにおいてでした。
これは個々人としての心のあり方も素晴らしいと思うのですが、普段からの家族の信頼と関係が機能していなければ、決して成すことのできない業であり、この家族の真の姿を垣間見たという気持ちでした。
私が逆の立場なら、この行為が出来たであろうか? そう考えると臆病な自分が見え隠れいたします。
埼玉の家から千葉の病院までの往復だけでも半日仕事。
この日付き添って頂き、手配を済ませ、帰宅後報告を頂いたのが夜の10時過ぎ。 さぞかしお疲れになった事だろうと思います。
本当にありがとうございました。
このお気持ちだけで、彼は素晴しい家族と出会えたんだなあと実感できます。
結婚という二人だけの事のようで、そうではない家族同士の関係が、早速姿を現してくれたんだと思います。
あの時、彼らが双方の家族がつながってほしいと思いを込めた「結納式」を行ってくれたおかげで・・
人という、ひとりだけでは立っておれない存在が、自分以外の人と寄り添い、やっと立てるという字のごとく、埼玉の家族さんと共に、これからも歩んでいきたいと、心の底からそう思うのでありました。
自然の中に人もいる。
自然が素晴しいように、 人も素晴しき存在です。
ありのままの心で生きることは、 周りをも生き生きとさせます。
ありがとうございました。
彼にとって、何も出来なかった松山の親でしたが、 代わりに、素晴しき埼玉の親を知るきっかけになった事だけは、確かだと思います。
改めて、先方のご家族様にはお礼に伺いたいと思います。
後は彼が回復し、復活してくれることが、このご恩に報いること。
しっかり休養してくださいね。
バージョンアップした人生を送るためにも・・