花という花が芽吹き、そして咲き誇るこの季節に、人花(ひとはな)たちも芽吹き始めたというお話をひとつふたつ。
あいあいキャンプが12年の活動に幕を下ろして初めての春。 この3月に学校とあいキャンを卒業したあるメンバーからメールが届きました。
彼女は2年間はーと・ねっと・くらぶに在籍し、彼女なりに迷ったり、努力したりしながらこの活動を終了しました。
最終年度はリーダーの役にも挑戦した最後の女子高生でもありました。
そんな彼女がよこしたメールとは・・ (本人承諾済み)
(年度末ギリギリのメール)
『お疲れ様です。 スパンです!
マージンまた「誰やねん!」と思ってるでしょう。。ほら、若いのがいたでしょう!!あれです!!!若くて若い女です!!!すみません自分の推せるところがそこしかなかったです!!!
というのはさておき。
今回はお礼をと思いメールさせていただきました。お礼状は出したんですが、何度言っても足りません。。というか書けなかったことがありまして。やっぱり年度がかわる前に全部言っておこうかと思ったのです。
えっと、まず、
二年間お世話になりました。
こんな理解力の低いクソガキを最後まで切り捨てず、拾い上げてくださったことにまず感謝しています。たまに「女子高生わかるかー?」と聞いてくださったのは本当に嬉しかったです。それを真剣に聞くのではなくおちゃらけたように聞いてくださったので、私も「分かりません!」とはっきり言うことができました。
本当にありがとうございますm(__)m
拾い上げてもらった経験があるので、これからに生かせます。周りをよく見て、あいキャンでの私のような人がいたら、悟られることなくサッと手を伸ばせたらなぁと思います。(パグーに言うと「それは良い女やね」と言われました!頑張ります!)
と、私はこれからも頑張って生きようと思っています。
そんな私の唯一の悔いは、マージンに怒鳴られなかったことです。怒鳴られる前にそこまで行動しなかった私が悪いのですが。。
最初は「おお、この人怒ったら怖いなあ。でも怒れるなんて熱い人だなぁ」と思っていました。ですが、いつからか忘れたんですが怒られる人が羨ましく思えてきました。怒ったり泣いたりしてもらえるのは本当にその人のことを考えてないとできないと思います。だから、正直レゴんが羨ましかったです。みんながレゴんに最後だからといろいろ言っていた時も、私はただ「いいなあ、こんなに人に思ってもらえて」と思いつつうるうるしてました。。
ちなみに私はマージンだけでなく他の人に怒られた経験が、マギーからしかありません。。それも、マギーは優しいから言い方が柔らかいもので、怒られた気がしませんでした。
なんだか残念です。
おっと、長くなりました><
マージンは多忙で目が疲れていると思うので、だらだらとした言葉もここまでにさせていただきます。
あいキャンで、人の汚いところや綺麗なところを見ました。ある意味社会勉強になったと思います。 赴任先の広島にはあいキャン報告書とDVD持っていきます!いつでも思い出します!
お忙しい中、この読みにくいメールをここまで読んでいただきありがとうございました。
そしてお世話になりました。
また会いましょう!!!
会いたいです。
マージン大好きちゅー!
はいごめんなさい失礼します!!!』
・・・ まあ女子高生なりに一生懸命気持ちを伝えてくれていることは分かります。 いまさら文法がどうのこうのと言う気もありません。 正直とても嬉しいものでした。
そして私は返信させて頂きました。
『おおっ、 女子高生~を卒業したスパンではないか。
卒業おめでとう。
いよいよ社会人だなぁ。
今度帰ってきた時は、いっしょに飲もうぜ~。
なんだかんだ話そうぜ~。
おまんとは、まだ飲んでないからなあ。
懐かしく語り合おうぞな。
それまで元気でやってこい!
楽しみにしている。 マージン』
その彼女は希望通り就職することもでき、これから頑張ってやっていくだろうなあと思っていた矢先。
4月の新入社員研修の最中の夜中に、こんなメールをよこしたのでした。
『お疲れ様です!スパンです!
今回メールしましたのは、マージンはミジンコほども興味ないでしょうが、私的にはマージンにご報告したいと思うことがあったからです。
私は今、4月1日から研修が始まり、4泊5日で砥部の青少年ふれあいセンターに来ています。
そこでの係決めで、私はリーダー係になりました。 大卒の方もいらっしゃったのですが、なぜかなりました。
ここでするリーダー係会や研修で思ったのは、あいキャンでしていたことがそのまんまあるな、ということです。
1日からリーダー係会はあったのですが、とうとう3日目の今日(これを作成してるのは3日の夜中です)、トレーナーの方に「意識が低い」と言われました。ならどうしたら意識が高まるのか、となって悩んでいたとき、らちがあかないと思ったのでしょう。トレーナーの方が、目標がないから高まらない。 みんなで一つの物を目指してやることが大切と言われました。
確かに42人の新入社員の方々はまとまっているとは思えません。
一つのものも目指せてないです。
そこで、あいキャンを思い出しました。
あいキャンは、一つのものに向かってみんなが一直線に走ってます。それは分かっていたつもりでした。ですが、あの経験があるはずなのに、それにすら気づかず、なんでみんなバラバラなんだろうと悩んでいました。
経験をなにも生かせてないことを悔しく思います。
そして、リーダー係会での課題も「みんながひとつになるためにはどうすればいいか」ということで、議論しました。
あいキャンでは当たり前の光景でしたが、それが本当にすごい奇跡だったのだと今では思います。 さらにあいキャンは、障害をもった子どもと健常児という、普段の生活なら関わらないような人たちとの共同生活です。 本当に奇跡以外のなにものでもなかったんです。 それをやっと大人だらけの研修の今理解しました。
一つになるのは大人でも難しいです。
トレーナーの方は 「俺はほんとに悔しい。お前たちにはもっと輝いてほしい」と言われ、涙を流されました。
私はそれが悔しかったです。
自分のことを考えてくれて涙まで流してくれる人に、なにも返せてないです。リーダー係だからがんばろう!とは思っていなくて、同期だしみんなで一緒にがんばろう!という心意気だったにせよ、トレーナーの方のその言葉と涙は、私を悔しくさせました。
そして、「この人のためにやりたい」と思わせてくれました。
ここでは綴れませんでしたが、あいキャンとおなじだと思うことは数ヶ所ありました。
経験を生かせなかったこと、本当に悔しく思います。
同時に、あいキャンでもっと学びたかった。と強く思いました。(すみません、子どもたちのために、というためではないので、あいキャンがあったとしてもやる資格はないとは思いますが><)
本当に、二年間なにをしていたんだろう、と心から思います。
ちなみに、ついさっきそのことを話したリーダー係会が終わりました。(現在4日の1時過ぎです)
就寝時間を伸ばしてくださり、最後まで付き合ってくださったトレーナーの方々には本当に感謝するばかりです。
おっと!またまた長くなりました><
こんなだらだらとした長文を失礼しました。
涙が出るほど悔しかった出来事だったので、マージンにご報告をと思いました><
読みにくくて支離滅裂だったとは思いますが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
それでは失礼します!
あ、私もマージンと飲んだり語り合ったりしたいです!!!!!マージンと会話できるくらいの理解力つけますねっ!!!!』
・・・・ 最初のお礼メールで安心してたら、間髪いれずにこのメール。
よほど悔しかったのでしょう。 奇跡の環境を体験していたにも関わらず、何も自分が理解していなかったことに、 何も気づけていなかったことに気づいてしまった ・・・
私はまた返信をしました。
『・・・ すごいじゃない。 自らが気づいていくことが一番素晴しい。 心配するなオッケーだ。 そうやって気づき続けなさい。 そうやって君は素敵な大人になっていくのだ。 今を楽しめ』
春先の、たわいもないやり取りではありますが、咲き乱れる花の誘惑に戸惑うように、社会という入り口に立ったばかりの小さな心が揺らめいています。
でも思うのです。
彼女の気づきは、未だ奇跡の世界を知らない心からすれば、どれほどたくましく映ることか。
彼女はもう知っているのです。 どうすれば奇跡の世界を創れるかということを。
彼女はただそのことを思い出せばいいだけなのです。
そうやってまた、ゆっくりと創っていけばいいのです。
新たな仲間たちと、協働作業を繰り返しながら・・・
気持ちのいい春です。
ちょっと古めかしい木の枝から、真新しい芽が芽吹き始めています。
私の役割も、一つのステージを終えようとしています。
生まれては散ってゆき、 散ってはまた生まれてくる。
宇宙が持つ、まさに奇跡の循環というチャンス。
散ってゆく花の気持ちは、決してさびしいものではなく、決して悲しいものでもなく、その後に芽吹く次世代の輝く命への喜び。
そんな風に思えます。
こんな小春の風景が、今年は等身大の私と重なります。
すてきな春です。
頑張れ、 ステキな元女子高生!!