午後8時には熟睡してたと思います。
気が付けば翌5時前。
おっはー!
山はよく眠れるんです。。
朝飯はビッグなカレーとみそ汁。
荷物を軽くしたい一心で必死で食べました。。
濡れたキャンプ道具一式を乾かしながらいったん撤収します。
お山開きの法要はお昼からということですので、その前に隣の沓掛山へ登ってみようと思い立ち、軽装で出発。
なだらかそうでだんだんとなかなかのお上りになるあたり、昨日の疲れの残る体には堪えるのですが、少しずつ順応しているとも思いますので我慢です。
あいにく霧がかかり、山頂からの展望はありませんでしたが、時折見せる笹ヶ峰の山容は美しいものでありました。
そしてその帰り道、なんとも見事なブナの大木に出会います。
この森の精霊主と思えるほどの高貴さにあふれておりました。
しばし感動。。
丸山荘に帰ってみると、地元有志たちがお接待の流しそうめんを用意しておりました。
そのうちに正法寺ご住職や行者さんたちが権現様とともに到着。
一緒にそうめんやら、ナスの天ぷら丼をいただきます。
ナス丼は超絶品でした。 また食いてー!
そんな楽しい昼食が終わるといよいよ笹ヶ峰頂上社へ権現様をお運びする登山開始です。
その道は、私が昨日降りてきたメインの道ではなく、もみじ谷経由の尾根伝いに戻っていく遠回りのルート。
これが昔からのお山開きのルートのようです。
私は初めてのコースを、健脚のベテランさんと一緒に先に出発します。
しかし、ベテランは速かった。
もう体が違いすぎます。
私のことはほっておいてねと言うのがやっと。
その後はマイペースです。
が、
そんな私でも標準タイムではありました。
なんじゃあの人たち・・
でもコースはとても美しい道でした。
いえ、正確に言うと道らしきものと、どうみてもやばいという場所を交互に体験していく、まさに行者のための修行道にふさわしいものでした。
いつ崩れてもおかしくないかも・・
しかし、そこを上り詰めたとき、
尾根の分岐点から見るちち山の美しさにはしばし見惚れました。
そこからは笹原の中に伸びる道を、光とともに歩んでいきます。
うつくしい時間でした。
して、ご一行さまよりも一足先に山頂へ。
ちち山
石鎚方面
沓掛山
西条市と瀬戸内
先に到着されていた71歳の素敵なおばさまは、足が遅いのでということで、表の道から登ってこられておりました。
この方はこのお年にもかかわらず、訳あってお孫さんの学費を稼ぐために、まだ働いておられるということでした。
普通ならお友達とランチでも楽しんでおられても不思議ではありませんが、大学の学費を助けるためにまだまだ働くというのです。
しかし、それはとてもつらいことも多々あるようで、つらくなると山に登るのだそうです。
登ることもつらいのだけれど、登り切った時の感動と達成感、美しい風景、そこで出会う素敵な仲間たち、風や空気や木々のささやきによって、登る前のつらかったことが嘘のように消え失せていることを求めてやってくるのだということでした。
様々な思いを背負って、人はここまで登ってきます。
自分の足で。
バスも電車もない、この世界へやってきます。
だから共有できるのでしょう。
ここにいる人だけで共有できるのでしょう。
私が山で出会う人は、とても魅力的です。
とてもいい時間を共有させていただきました。
そして、いよいよご一行様がやってきました。
ホラ貝の聖なる響きに乗って、まさにご一行様がやってきました。
休憩もほどほどに法要の準備にとりかかる行者様たち。
準備が整った後は全員で祠を取り囲み、全員でお経を唱えます。
最高のお天気の中で、山頂から世界に向けて感謝の念が発信されます。
素晴らしい体験でした。
ここでしかいただけないお札をいただきましたことも含め、心より感謝申し上げます。
ひとしきり山頂ですがすがしく過ごさせていただいた後、行者様たちとともに丸山荘まで下山します。
思い思いの話を咲かせながら、とても穏やかな気持ちで仲間とともに下山します。
行者様から聞いた話も、人には言えない爆笑ネタがあったりと、あぁ、やっぱり山はいいなー、と何度も思うのでありました。
新居浜方面
丸山荘で名残惜しみながら、半数の人たちは地上へと下山します。
住職さんと行者さんは丸山荘にお泊りして、明日下山します。
私も明日の朝にはここを立つ予定ですが、万一また雨が降り、テントの撤収等に時間がかかると、夕方の約束に間に合わなくなるという想定を立て、素泊まりで小屋に泊まることにします。
飯はありますので自炊です。
軽くしなければ・・ (笑)
小屋に上がり廊下に座り込んで、小屋主の片山さんとご住職と私の3人で、またまたお山開きの歴史の中から見え隠れする宗教に対する人間の対応や反応のエゴの部分など、普段聞けないようなお話も聞くことができたのでした。
言えないことがほとんどですが(笑)、とても面白いお話でした。
最後の最後まで、ご縁の存在と寄り添いながら過ごせた山の二日目。
高山ひめボタルの優雅な舞に声を上げ、
きらめく星々と下弦の月に見守られながら、
この日もまさに安らかな眠りに落ちていくのでありました。
(死んでないよ)