朝5時ごろ目覚めました。 健康です。
丸山荘の部屋で非常食のパンとスープをいただき、ゆっくりと出発準備に取り掛かります。
ここはきれいな水が豊富なところですので、水も入れ替えます。
お天気はあいにくの曇りというか霧が巻いてます。
しかし本日の約束を果たすためには予定通り出発しなければいけません。
6:45に丸山荘出発。
笹ヶ峰に向かう入り口の森林帯では、霧とのコラボで幻想的な風景を楽しませていただきましたが、森林を抜けたとたん下から吹き上げてくる風に翻弄されます。
雨は降っていないのですが、霧の水分濃度は高く、足元の笹も濡れています。
ほぼ標準タイムで笹ヶ峰に到着ですが、メインザックを背負いながらですから、だいぶ体が順応してきたということでしょう。
一安心です。
笹ヶ峰山頂は、昨日とは打って変わり視界がききません。
おまけに強風。
感謝奉納だけ行い、早々に寒風山に向けて出発します。
この途中の尾根筋も見事に霧と強風の中を進むことになりましたが、これはこれで楽しいものです。
「山」を楽しむということは、きれいごとだけではなく、危険なことも、つらいことも、痛いことも楽しむということだと思っています。
そのレベルは人それぞれでしょうけど、少なくともそういう気持ちがなければここには来ないでしょうね。
寒風山につく頃には、ズボンも靴の中もすっかりビチャビチャになっていました。
下山したら温泉予定なので気にせず歩きます。
寒風山からの下り道の途中、笹に覆われ足元の見えにくくなった登山道の草刈りをしているおじさんと立ち話。
こういう方のおかげで少しでも安全に登山ができているわけですが、方やこちらは遊びで山に来ている身分。
おじさんが崇高に見えても仕方ありません。
聞けば大洲市からのボランティアということ。
何人もこういう方がいらっしゃいます。
「山」が好きなのは同じかもしれませんが、そこにある目的が違います。
すぐに自分ができるとは思いませんが、感謝だけは忘れてはならないと思います。
いくつかのアップダウンを繰り返し、いよいよ桑瀬峠が見下ろせる展望抜群の場所へ。
少しだけ霧がはれてきました。
懐かしい展望が見え隠れします。
なんだかうれしくなるものです。
誰もいない桑瀬峠を通り過ぎ、登山口へのきつい下りへ。
このころには日も照り、気温も上昇し、夏山気分です。
すれ違う登山者と違い、スプ濡れのズボンと靴で下るのは私だけ。(笑)
何人かの人と立ち話を楽しみながら、まさに軽快に下ることができました。
ちょうど昼時間となった下山後、登山口にある茶店で冷やしうどんをいただき下界を楽しみます。
車まで帰ってきたときは、不思議な感じがします。
本当に天界下界くらいの違いを感じます。
ただ、下界がダメというわけではありません。
それどころか、妙に安心したりホッとしたりできることは間違いないからです。
人工物に囲まれていることが、いかに安心できるかということ。
身を守るものがなく、むき出しの自然の中にいるということはどれほどの緊張感を強いるのか、ということをこの差が表しているのでしょう。
2つの場所からの気づきを、ふたつでひとつになるように生かしていきたいものです。
そして木の香温泉に飛び込み、真夏の太陽を浴びながら露天風呂を満喫したのでありました。
二つの世界は素晴らしい。
ふたつでひとつが素晴らしい。
大切にしたい世界です。
15:00くらいに自宅に帰り、装備の片づけを行うのですが、待ってたかのようになりだす電話にあたふたしながら、天界体験がまるで幻であったかのように思えてくるのでした。。
下界パワーもスゲー!!
夕方の待ち合わせ場所までも歩いて移動し、学生時代の友人夫婦とピッチャービールでしこたま飲んだけど、快調でした。
3日間ではありますが、十二分に楽しすぎる体験でした。
すべての存在のおかげ様です。
ありがとうございました。