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四国の背中 ~往路編②~
2012年5月11日 | 趣味

もちろんこのコース初めての私はこんなに厳しい下りになろうとは知りません。  おまけに霧雨強風低温の素晴らしい演出。  気温は2-3度くらいか? 体感温度はもっと低い。 立ち止るだけで凍えてくる。 休みたいけど休めない・・・

マジで周りが見えないと底なしの崖を降りている気分になります。 しかも足場はめちゃくちゃな岩、石、泥の三拍子。  足をひねる、くじく、スペル ・・・・      やっちゃいました。

昔の古傷の右ひざ痛。  これが出るとまともに歩けない。  しまったー、と思ってももう遅い。

最近歩いても出なかったのですっかり安心していましたが、前半の瓶が森の転倒続きや、ここまでのストレス、そしてこの下りの崖でとうとうパンクしたようです。

そう、 ここから私の地獄が始まったのです。

よりによっての見通しのきかない強烈な下り、下から猛烈に吹き上げる強風と霧雨。 さすがの私も 「遭難?」 なんて少し考えました。   動けなくなるか、落っこちるか、なんとも言えない気分のまま、それでも進むしか手はありません。

手探りでびっこを引きながらトボトボと進みます。 今までの1/3のペースです。  やばい。  これはマジで日が暮れるか? と気持ちは焦れど足は出ず。  痛みを押して進みます。  トボトボトボトボ・・・

 

 

 

 

 

 

それでも小さな一歩は続けることで必ずどこかへ運んでくれます。 そのことだけは今までの体験を通して揺るがない信念となっておりますので本当の不安にはなりえません。 それだけでも救いです。 これが経験もない若気のいたりの自分であったらと思うとゾッとします。

そんなこんなを考えながらさらに歩き続けておりましたら、 やっと桑瀬峠です。

 

 

寒風山トンネルのほぼ真上に位置する1450mの行きかう人々が集うところ、  のはずなのですが、 さすがに今日は人っ子ひとりいませんねえ。

先へと参りましょう。   おっと、誰がが捨てたゴミが・・    拾ってポケットへ。 こんなときでもなぜかゴミに反応する私は変態でしょうか?

ここからはまた登りです。 せっかく必死で崖のようなところを300m降りてきたのに、また300m登るのです。  行くぞ。 日が暮れる。

ひとりぼっちのびっこのにわか登山者は、またトボトボと進みます。  登って登って引きずって引きずって、 なんでこんなことやってんのやろ? なんて少し思ったり、 どうしてここに来ることになったんやろ? なんて少し考えたりしながら、でもすぐに忘れたり、そんな繰り返しだったような気がします。

http://www.youtube.com/watch?v=Lwf_SvvpZtU       (こんな感じ)

 

だってこの寒風山もきついんです。 なんせずっと霧雨の幽玄の世界の中、崖のような登りが続きます。 びっこ引きにはなかなかの世界です。  伊予富士の下りが恐怖なら、 寒風山の登りは鬼でした。 いくつかのハシゴをびっこ引いて登り、滑れば奈落の底へ直滑降の崖っぷちを歩きます。  時々熊笹が覆いかぶさって登山道の端が見えず、足を踏み外しそうになります。 この時ばかりは本気の真剣で必死にこらえますが、落ちたら冗談抜きでどうなるかわかりません。 またぬかるんで幅20センチの道の路肩が崩れたりもします。 初心者要注意です。

強風が体温をまた奪いに来ます。  一歩足を着くごとに声が出ます。 「あ゛っ」 「い゛っ」 「う゛っ」 「え゛っ」 「お゛っ」 って感じ。 自分で笑えちゃいます。

正直実はこの辺りまでとても写真を撮る余裕はありませんでした。 むろん真っ白世界なのでと思うでしょうが、私はそんな世界でも楽しめる人なんです。 でも、今まで余裕がありませんでした。

でもやっと少しずつ今の世界を認め受け入れ始める事が出来始めたようです。 少しでも楽しむ気持ちがやっと生まれてきたようでした。

 

あっという間に過ぎゆく時間と、 ますます強くなっていく風と、 うす暗くなって下がりつづける気温に少々焦り気味ではありますが、なんとか持ちこたえておりました。

道でないような道を、 障害物だらけになっていく道を、 黙って淡々と進んでいきます。 何も思わず、考えず。

 

登って登って登った先に、 現れ出たのは、 今日の宿、 「丸山荘」への分岐看板。

おぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーー。     きたかーーーーーーーーーーー。   でした。

もう少し、もう少し、

でも、 このもう少しが長かった。

降りても降りても現れ出ないその山小屋は、いずこ?   ドロドロの足元はすべることすべること、痛い膝がさらに悲鳴を上げます。

すると少しずつうっすらと木が見え始めます。 小さな少数の木が少しずつ増え、 大きくなって、 林になり、 森になっていきました。

 

その森は、 それはそれは別世界のものでした。

 

 

 

 

あれほど吹いていた風はやみ、 小鳥の声が聖なる鈴のように鳴り響き、 霧でかすんだ森そのものがゆりかごのように感じられるほどでした。

もはや焦る気持ちはみじんもなく、ただこの時を楽しみたい。

立ち止り、 耳を傾け、 目を凝らし、 息を吸い、 天を仰ぐ。

そうやってゆっくりと下ったところに、 目的地、「丸山荘」が静かに現れ出でたのでありました。

この時点でほぼ17時前、  本日の山行時間、 10時間。

(まだつづく)

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