2月16日(日)、8:00に松山市コミセンに集合後、手順打ち合わせ、そしてリハーサル。
そう、この日は「響け!!言霊 第6回ことばのがっしょう群読コンクール」の開催日でありました。
完璧にハメラレて「ことばのちから実行委員会」に入会するはめになり、もひとつおまけにハメラレて新人の分際で副委員長を引き受けざるを得ないことにもなり、少々反抗期気味の私でありましたが、1年間は頑張ろうということで初参加させていただきました。
これは小学生低学年から高学年、そして中学生の3部門で構成され、それぞれの部門において、銀賞・金賞を表彰し、最後に全体での大賞(グランプリ)を表彰するというものですが、内容は自作・他作に関わらず、詩をそのチーム全員で群読し、それを5名の審査員によって評価するというものです。
審査員も作家の新井 満さん、愛媛県合唱連盟理事長の市村公子さん、南海放送アナウンサーの戒田節子さん、文化庁文化部国語課国語調査官の鈴木仁也さん、元ことばのちから実行委員会委員長の山内敏功さんと個性と専門性にあふれた顔ぶれ。
さてさていかなるイベントだったのでしょう?
正岡子規、谷川俊太郎、中島みゆき、宮澤章二、マザーグース・・・ という具合に立派な詩人や文筆家などによって書かれた名文を、子供たちはチームとして解釈し、強弱をつけたり身振り手振りを交えながら、キャメリアホール数百人のお客さんに向かって表現していきます。
その表現の多様性と子どもたち特有の聖なる波動だけで、正直私は満足なのですが、これがなんと後半になってくるとほっておいても魂が揺さぶられ始めます。
すごいジャン 。 この子ら ・・ 。
とどめは最後のチームでした。
キッズファイトという名のチームは、アフタースクール(児童クラブ)に通う仲間で構成された仲間たちですが、働いている保護者の仕事が終わるまでの時間を、勉強したり、野菜をつくったり、職業体験したりしながら過ごしているわけで、本当はもっとおとうさんおかあさんと過ごしたい、甘えたいはずなのです。 そこをグッと我慢しながら頑張って生きているわけで、 でもしっかりと自分のために働いてくれていることも知っているわけで、 その相反する自らの気持ちの葛藤やら揺らぎを今回言葉にまとめたようなのです。 そしてその子どもから出てきたことばをまとめ、自作詩として発表されたわけなのでした。
もちろんこの形になるまでに、すばらしい先生方による協力なり援助があったことは間違いないでしょうが、あくまで今の自分たちの心の声をまとめあげた自作詩であるということなのです。 オリジナルです。
この自らの本心を、自らが最も伝えたい人に対して伝えるという環境が整った時(会場には多くの保護者さん)、子どもたちの聖なるエネルギーは至上最強となります。
「もっと話しかけてよ、 もっと抱きしめてよ・・」と大きく、時にささやくように伝えてくる子どもたちのエネルギーは、会場のほとんどの大人たちの心の奥にしまいこんだ触れられたくない部分にまで満遍なく伝わり、 そして会場に居るその他の多くの子どもたちの心に巣づくっているであろう部分に対しても、共感を呼び起こしたであろうと思うわけです。
「僕だってそう言いたかった」、「私だってそうしてもらいたかった」・・
舞台に立つ小さな巨人たちは、ものの見事に子どもから大人まであらゆる心をとりこにしたのではないでしょうか。
本来このような社会問題となるようなテーマにおいて、マスコミやジャーナリストを標榜する輩がどんなに頑張って伝えたようでいても、こんなには伝わらなかったのではないでしょうか?
私は彼らのメッセージを聞きながら、 従来の群読という「常識」をこの初参加の少年少女たちがものの見事に打ち壊してくれたなあと思うと同時に、新たな群読の「未来」が垣間見えたような気持ちでありました。
単なることばのいじり方ではなく、見せ方でもなく、自分の言葉で「今」を語る。
政治家ではなく、
教育者でもなく、
企業家でもなく、
大人でもなく、
唯一未来を創りえる存在としての子どもたちが、
今を語る。
私の予想通りは偶然でしょうが、このチームがグランプリを獲得しました。
終了後、このチームの子どもの母親が、「今日初めて聞いたけど泣けてきて、泣けてきて・・」 「今日だってここに来るまで朝一から喧嘩してきたのに・・」「今から抱きしめてやります」
そう言って母親は、自分の胸に飛び込んでくる小さな息子を思い切り抱きしめていた。
その小さな息子の幼い顔は、太陽から生まれた天使のように光り輝いていた。
これからことばのちから実行委員会の反省会が始まるでしょうが、真摯な姿勢で話し合いたいものだと思っています。
私にはこの活動、 育てれば世界に羽ばたく可能性を感じてなりません。
今度は自分たちの力量が彼らから試されます。(怖)
そろそろ退会しようかな~ 。
(シャレにもならん って誰?)
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