昨夜のホテルは、八幡平温泉郷に属する大沼温泉になりますが、とにかくあたり一面温泉だらけです。 とてもじゃありませんが、すべて体験するのは無理なので、今回も旅のルート上で、かつ翌朝予定地までの移動が少なく、かつ予約の取れたところに致した次第です。
が、この選択がすばらしかった。
シルバーウィーク期間中の乳頭温泉でげっそりしたその日の夜だというのに、八幡平グリーンホテルの原生林に隣接する大きな二つの露天風呂は、私を含めて3人だけ。。
メジャー過ぎない宿がいいね。
見事な大木をうっすらとライトアップしただけの明かりの中、秋の虫の声とお湯の音に満たされた、その野趣満点の温泉でまったりしたのは言うまでもございません。
東北滞在中はこの日に限らず、宿に着いてまずひとっ風呂。 食事の後にもひとっ風呂。 日の出の前にまたひとっ風呂を実現してまいりました。
すべての温泉は源泉が異なり、すべて違うお湯を楽しめますので、想像以上にすばらしき体験ができるというわけです。 同じ宿でも複数の源泉を持っているなんてのもざらでした。
裏を返せば東北の山は全体的に火山帯だということにもなりますので、ある意味覚悟は必要かと存じますが、どちらに転んでも極楽かと存じます。。
実際私は今噴火したらどうするか? とかれこれ真面目に考えていましたよ。 助かるかどうかは別として。 想定は大事です。
さて、この日は比較的ゆるい1日を考えておりました。
昨日まあまあハードな登山を体験したであろうかみさんを、多少なりとも休ませながら、かつ未知なる土地を楽しめるプランを考えていたわけでございます。
そのプランは、八幡平(百名山)をゆっくり歩く。 そして午後からは、日本海への長距離ドライブで宿泊地へという、移動がメインのゆるーい日と位置付けていたのです。
当初予定は、もっとハードに行きたいところを組み込んでいましたが、さすがに自己中になりすぎやなあと反省し、予定を減らしたわけですが、そんな気遣いをかみさんが知る由もございません。。
てなわけで、おいしく朝食をいただいてから、八幡平への極上アスピーテラインをゆったりとひた走ります。
まことにうつくしい道でした。 東北のすばらしさがここを走るだけでも伝わります。 また走りたい道でした。
そして八幡平登山口駐車場に入りますが、そろそろ人で込み合い始めておりました。 さすが人気の場所です。
身支度を整え、ゆっくりと登山スタート。
昨日の秋田駒ケ岳と比べれば、整備された八幡平の登山道は歩きやすいものですが、疲労物質はそう簡単には消えません。 何せ連続登山2日目ですからねえ。 毎日縦走してるようなものですから。
かみさんは案の定立ち上がりからしんどそうでした。 が、そのうち慣れてくれば体液は循環を始め、回復していくのは体験済みですので、そのままゆっくりと、休み休み進み続けます。
名峰 岩手山が見えます
そしてまた、そのしんどさを忘れさせる風景が次から次へと現れてくるという、東北の森の懐の深さを体験していくのでもありました。
八幡平は、りっぱな池や沼をいくつも有する湿地帯の中の山ということになるのですが、なだらかな曲線で構成された一帯の世界は、おのずと落ち着きとやさしさを与え続けてくれているようでもありました。
もっとも、池は元火山の噴火口跡ということですので、大火山帯だったということです。 その地形の緩やかさゆえ、残雪もたまりやすく、またこの山域の森が大きく深いゆえ、水が豊かなのでしょう。
花の季節などは格別だろうなと、容易に想像できる空間でした。
何度も来たくなる場所です。
八幡沼
だいぶ調子もでてきたかみさんと、八幡平周回コースを一周したあと、名物カレーで昼食。
そして駐車場を出て、復路の八幡平アスピーテラインを楽しみながら大沼へと立ち寄ります。 本当は昨日夕方に歩いてみる予定の場所でした。
ここも池と湿地帯ですが、 標高も八幡平よりだいぶ低いものですから、まだ花が咲いています。
緑と黄色、そして赤の入り混じる、季節の移ろいの回廊を楽しめました。
さあて、そろそろ日本海へ出発しますか。
移動時間は、例によって高速なみの県道・市道・裏道により、すこぶる短縮できました。
途中日本海を眺めながら、地元のイカ焼きを食しましたが、でかくてうまいのなんの。 地域地域の産物は、やはりその場所で楽しむに限りますね。
そしていよいよ、名湯・不老ふ死温泉到着。 http://www.furofushi.com/
到着とともに大つぶのにわか雨になりましたが、この後の旅も車の移動時以外、雨に遭遇することはありませんでした。 ありがたやありがたや 。。
そしてその温泉は、まさに海辺の岩場をくりぬいたかのような風情でたたずんでいました。 背景がそのまま日本海です。
が、 しかし・・
その風呂は人であふれかえり、湯につかろうにも足を入れる場所さえないではないか~ 。
なんじゃこりゃ 。
と思いつつも、こちとらスッポンポンで、いつまでも日本海の風を受けてたたずんでいるわけにはいかぬ。。
少しだけ片足が入りそうな場所を近眼の目で見つけた私は、恥も外聞も迷惑も顧みず、無理やり片足を割り込ませ、そのまま中央に移動し、やっとの思いで湯につかることができたのである。
着いた時間が日の入りの時間帯なもので、一日で一番混雑するらしい。 (日帰り客もいるため)
まあここの湯につかりながら、日本海に沈む夕日を見るということは格別なんだろうとは思いつつ、こんなおっさんの凝縮された環境ではごめんだなぁ、などと思っていたらおばさんの声が聞こえた。
私は近眼なので、眼鏡をはずすと人の顔など全く判別できない。 みんな🐵🐒に見える。 だからわからなかったのだ。
声のした私の正面は、まぎれもないおばさんであった。
しまったーーーーーーー! ここは混浴じゃーーーーーーー。
まさかこんな混雑しているおっさんの巣に、おばさんといえども入れるわけねぇー、と思い込んでいたのは私だけ?
むりやり割り込んで入ったとき、私のお○○○○もろ正面で見てたのねーーーーーーー。。
あいやー、恥ずかしかーーーーー。
なんてことをしばし思いながら、おばさんの真ん前で、その後おとなしく湯につかっていた私であった。
が、
さすがに姿勢を変えたくなり、足の位置を少し動かすと、 なんと、 周囲はすべて誰かの足であったのだー 。 お湯の色が土色だから中がまったく見えないのだよ~ん。
なんじゃこれは、 もはや日本海も夕日もどうでもいいでちゅ~。
ということで、湯から出て、日本海に向かって仁王立ちし、沈みかけた夕日を横目で見ながら、火照った体を冷ます私であった。。
この温泉場に至るまで、まことの岩場を40メートルくらい歩いて移動するわけですが、ここに入らないギャラリーが、その周りで写真を撮っています。
我々は格好の見世物のような状態てす。
う~ん、これでいいのかニッポン。
と思いながら館内の露天風呂に入りなおすと、そこはガラガラの快適空間でありましたとさ。
チャンチャン。
ps. 後でかみさんに女湯の露天も混んでいたかと聞けばガラガラだったと言う。それなのにわざわざ混浴に入って来るおばさんの気持ちが、 どーーしてもわからぬ。 すさまじき混浴魂というものがあるのだろうか? 東北の七不思議のひとつであるが、 後の六つは知らない・・ 。
9/21
8:00 美しい森の道散策 9:50 散策終わり
10:00 八幡平グリーンホテル発 10:20 八幡平登山口駐車場着
10:25 八幡平山頂遊歩道散策 12:30 散策終了
12:30-13:20 レストハウス昼食
13:30 八幡平レストハウス発 17:00 黄金崎不老ふ死温泉着
(朝一の散策は八幡平の後に変更)