5月4日
5:30起床
雲一つない快晴の中に、朝日が輝き始めます。
うつくしい時間です。
もちろん、太陽=天照大神に向かって、一日の感謝奉納もさせていただきます。
暫しうっとりしておりましたが、早めに朝飯食って露天風呂入って、今回のメインイベントである「大船山」へ向かわねば・・
ちょうど去年の同じ時期に訪れた九重連山ですが、かみさんの傷み具合を考え、計画をしておきながら登らなかったのが、この大船山です。
どうしても登ってみたかったものですから、再度チャレンジです。
今回の登山口は、キャンプ場から比較的近い、去年とは反対側のマイナーな登山口となります。
が、その入り口さえもナビには出てこず、この部分が不安材料の一つでありました。
駐車場も小さく、止められないと困るので、早くそこまで行きたかったわけです。
ということで、朝日を浴びた高原大地と阿蘇を見ながら、露天風呂で体を温め、スッポンポンで仁王立ちした後、出発します。。
九州の山手の道は信号があまりなく、連休でさえ、とてもスムーズに移動ができます。
毎回すごいところだなあと思います。
で、幾つか登山口の看板を見つけ、あたりをつけて飛び込んだ林道ですが・・
車幅ギリギリのやばい道へと・・
どうにもこうにもこのまま進むしかないので進みますと、
何とか2台ほど止められそうな場所が現れます。
すでに1台止まっています。
計画していた場所ではないようですが、登山口とありましたので、つながっているんだろうということで、ここから出発です。
お山に入山させていただくご挨拶の後、
7:30出発。
私有地である林道歩きを50分ほど続けたでしょうか?
最初の分岐点が現れますが、地図読みを間違え、しばらく直進してしまいます。
途中で気が付き、引き返し、正規のルートへのっかります。
あぶねー。
ひたすら緑の回廊を延々と歩き続けるわけですが、まあほぼ登り一色です。
出発地点が840m、山頂が1786m、差し引き946mほどの登りです。
果たしてかみさんは耐えられるのか??? (笑)
段々と傾斜はきつくなってまいります。
もちろん目の前の世界も常に変化していきます。
この変化があるから楽しいし、耐えられるのですが、
これが楽しく感じられない人は、ただの地獄となってしまうことでしょう。。
今のところ、かみさんのペースはのろいですが、足元の生き物や植物に話しかけながら(笑)、なんとか自分を保っているようです。(爆)
それにしても延々とが、延々と続くように感じます。
かみさんの小休止が多いので、私も写真が撮れるのでいいのですが、時間はかかります。
ひとつおかしいのが、3時間ほど誰にも会わないこと。
連休中の、名の知れた山なのに・・
大丈夫なのかこの道は・・
と、何度か思いましたが、これしかない道。
頂上近くでやっと下山者にお会いしましたが、まあホントに貸し切りのお山でした。
ただ、その出会った方というのが、御年80歳のおじいちゃん!
時々こういう方がいるんですよね。
結構キツイコースですから、ここも。
そのお人柄とともに、尊敬します。
でもしかし、
一歩の積み重ねは偉大なのです。
諦めなければ必ずその時が訪れます。
幾つかの展望を楽しみながら、いよいよ頂上が見える場所まで来ることができました。
あと少しです。
ひと月後にはミヤマキリシマでピンク一色に
去年登った白口岳、稲星山、中岳、三俣山たちが出迎えてくれます。
そして登頂。
かみさんよく頑張りました。
自画自賛していましたから・・(笑)
気持ちのよい時間が流れています。
心地のよい風が吹いています。
ぬくもりのある日差しが沁みてきます。
そこにいる同じ体験者さんたちと心を通わせます。
これが山登りの素敵なところです。
白口岳・稲星山・中岳・久住山などなど
眼下に見える坊がつるのキャンプ場
三俣山も美しい
由布岳と鶴見岳
ピンクも見たい
そして、懐かしの山々と共に軽く腹ごしらえの後、来た道を下り始めます。
今度は下り続けるという、これまた膝には強烈に効きそうなパターンですが、少しずつ降りていきます。
もちろん登りのようなしんどさはありませんので、膝さえ意識してやればいい感じで進んでいきます。
山の登り、下りの歩き方をマスターしておきましょうね。
でも、こんなたっぷりとした時間を二人で共有できるからこそ、普段できていないような会話ができるわけで、
そんな効用も、登山にはあることもお伝えしておきましょう。
二人で行くべし!
コースは同じでも、行きと帰りでは景色も変わりますので、もちろん飽きません。
登り4時間、下り2時間半。
山頂での休憩含め、合計7時間の山旅でした。
毎回そうですが、
下山後の満足感は、独特なものがありますね。
体と心の両方が動いてきたおかげというのか、どちらか一方だけでは、決して味わえない何かがあるように思えます。
これが自分を正常化させてくれているようにも思えます。
人間をはるかに凌駕する存在とともにいる時間を持つこと。
どんなにIT化が進もうと、変えてはならない尊いことだと思います。
静かな満足感を秘めながら、車に乗り込みます。
この足で近くの温泉へ行く予定です。
秘湯がいたるところに点在していますので・・
特にこの辺りは炭酸泉と呼ばれる温泉のメッカですので、迷わずその中の一つ、「豊後くたみ温泉 ほていの湯」へと。
体中があわあわになります。(笑)
ソーダ、ラムネに浸かったような感じ。
血管拡張に効きそうです。
そして、最高にさっぱりした気分のまま、風を楽しみながらキャンプ場へと向かいます。
右端が大船山
私は、この日の夕食は、キャンプ場から800m離れたところにある、唯一のお店「たぬき八」に目をつけておりました。
高原の中にポツンと一軒しかない定食屋。
まさにタヌキがやってんじゃないの? って感じの場所ですが、日があるうちは見晴らし最高の場所でもあります。
車をテント横に付けた後、たぬき八までお散歩です。
道中の道から見える阿蘇の風景も素晴らしく、すべてのプロセスがいとおしく感じられます。
車に乗るとこうはいきませんから。。
で、そのまま見晴らし最高の、たぬき八の庭に置かれたテーブルに陣取り、豊後牛焼肉定食とビールとやせうまを注文。
メインイベントを無事終了し、かつ、さっぱりした体と心で、
うつくしすぎる高原世界と戯れながら飲むビールのうまさに、言葉はいりますまい。
まことに平和な夕方の色に包まれながら、幸せなひと時を堪能させていただきました。
その後、高原の風に乗ってキャンプ場までお散歩を楽しんだ後、
いつもの高原温泉でまた体を温めなおし、
昨日の教訓を生かして、着こみを完璧にした後、
20:00就寝。
途中トイレに起きることもなく、
スヤスヤと眠り続けたのでありました。