私は不動産屋である。
そうであるのだが、
うちの事務所には現在イタリア製のエスプレッソマシンが鎮座している。
元は数百万円した代物である。
間違っても、その辺のカフェまがいにおいてあるおもちゃとはわけが違う。
スペックが断然ちがうのである。
が、
そんなことは一般人は全く知る由もない。
が、
隣のシェアカフェ「晴れときどき・・・」で使用していたこのマシンが故障のためうちの事務所にある。
なぜなら、
私が修理するからである。
業者に依頼すると数十万円ほどはかかると思われる。
そんなお金は隣のオーナー諸氏にはない。
だから私が修理する。
シンプルな話である。
「?」
まあそんなことで、時間を見つけてはコツコツとなおしている。
原因がつかめてないので、すべてを整備していくしかない。
といっても、業者の持つマニュアルがあるわけでもなく、回路図もない、説明書もない、何もない。
だから少しずつ分解し、できないところは各種専用溶剤等を輸入し、そして駆使し、電気部品の接点を磨きなおし、配管やナットも新調し、とりあえずできうることを全部やってみるべくコツコツとやっている。
こんなことができるのも、同じイタリア製のバイクを、二十数年間もコツコツといじってきたおかげである。
何が生きてくるやらわからないから人生は面白い。
このマシンから生み出される、強力かつ繊細なスチームが作り出すスチームミルクが、エスプレッソとまじりあいながら作られるあのカフェラテのうまさといったら・・・
その記憶だけが、この困難に立ち向かう動機であるといっても過言ではない。
他のカフェのカフェラテというものが、いかに偽物であるかを身をもって体験しているからこその、純真な動機である。
それほど、 うまい。
だから絶対に直す。
みておれよ、 きっと直してうまいカフェラテつくっちゃる。。
こうやってまた、 わけのわからない不動産屋がますますわからなくなっていくのでありました・・
とさ。