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私権とコミュニティー
2016年2月11日 | フレッシュ・リーブス, 雑記

今回はちょっと不動産屋らしい話題を・・  (珍しい)

 

一つの利便性が高く高価な土地を、区分所有し、その負担を軽減しながら便利さを享受するシステムとして、分譲マンションが存在する。

だが、いくつかの大震災や、横浜に端を発した基礎杭のねつ造問題を通して見えてきた部分から、忘れてはならない注意点を指摘してくれている人のご紹介です。

 

不動産コンサルタントの牧野知弘さんは言う。

“ マンションを選ぶとき、専有部分の部屋の間取りやデザインなどについ目を向けがちだが、マンションを買うことの本質は、管理組合に代表されるマンションの「コミュニティー」への参加を条件に、専有部分を所有するということです。

大規模修繕などの重要な意思決定について、管理組合が中心となって住民の合意形成を行い、総会で住民同士が話し合って多数決で決議します。 管理会社は、あくまでも管理組合から委託を受けて業務を行う存在にすぎない。

住民それぞれの価値観や考え方が微妙に食い違ったとしても、自我を抑え、理性的に話し合いを重ねて合意点を見出していくわけです。 そのプロセスは、国や地方自治体における民主主義の在り方に似ています。 いずれも話し合いを通してルールを定め、コミュニティーの維持を図っています。

横浜市の大型マンションが傾いた問題では、売主の三井不動産レジデンシャルが「全棟建て替え」を基本的枠組みとして提示しました。 区分所有法によると、建て替えには所有者の5分の4以上の賛成が必要です。

マンションで問題や課題が生じた際は、住民の一人ひとりがコミュニティーの一員として意思決定に参画する仕組みになっています。

ただ、この民主主義を成立させることは簡単ではありません。

マンションを購入する人の中には、「一戸建てのような近所づきあいに拘束されずに生活したい」とプライバシーを重視し、コミュニティーの活動には無関心な人がいます。 そんな住民の割合が多いと、重要な議案を総会で決めたくても参加が得られず、定足数に満たないため、総会が成立しなくなる。 参加を拒まれれば民主主義は崩壊してしまいます。

 

さらにマンションにも高齢化の波が押し寄せています。 高度経済成長は、アパートなどの借家からマンションへ、そして一戸建てという「住宅すごろく」のライフスタイルが主流でした。 しかし、最近では「終の棲家」としてマンションに住み続けるスタイルが都心部で広がってきています。

管理会社に聞くと、懸念されるのは、一部の高齢者の間に「自分の代だけ住めればいい」と考える人が増えてくる恐れがあることです。 「長く住む若い世代とは違う。住みつぶせばいい」という発想の下で、大規模修繕などの費用負担を少なくしようとするそうです。

しかし、適切な時期に外壁の修繕や設備更新を行い、全員で「マンションを守り育て、維持を行う」という意識を持つことは、資産を守る上での大前提です。

もし住民同士の対立が深刻化し、大規模修繕などの課題で合意形成が難しくなれば、マンションは機能不全に陥ります。 その結果、「ここに住み続ければ資産は劣化しするばかりだ」と感じた、意識の高い人から売却して脱出動きが加速しかねません。

その先に待ち受けるのはマンションのスラム化です。

 

背景にある問題は、日本における「私権の強さ」です。 公益のために少しでも権利が侵害される事態になれば「お金を出して購入したのに」と激怒する一方で、大規模修繕や防災訓練への参加などコミュニティーを維持する「義務」には関心を示さない。 そこには、社会に受け継がれてきた謙譲や助け合いの精神はありません。

 

残念ながら、マンションを舞台に民主主義の負の側面が一部で顕在化しつつあります。 乗り越えるためには、住民が「私」さえよければいいという意識を改め、「私たち」がよくなるためにはどうすればいいのかと、自覚してもらう道筋を作ることが欠かせません。

つまり、マンションは日本社会の縮図でもあるのです。 ”

 

 

 

やはり見えてくるのはこの国の「今」の人々でした。

ただ、そうしない意識の人ほど「そうだとは思っていない」というのも特徴だと思います。

そうだと思っていない人だらけになった時、はじめて気付くのかも知れません。

マンションというくくりを真剣に見ようとした時、この国の形も見えやすくなるという指摘は同感です。

だからマンションが駄目であるということではなく、「知識」として認知しながら行動していく指針になればと思います。

 

フレッシュリーブスという賃貸複合ビルでさえ、前面に「コミュニティー」を掲げながら運営するのはなぜなのかということを、この機会に別の視点で見ていただければ幸いです。

 

 

 

 

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