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見えないデザイン
2013年8月7日 | 雑記

ふと気が付けば一週間が過ぎている・・・

猛暑の中、気を失っていたのではないのかというスピードで時が流れる。

これは調子が悪い証拠だなあと自戒する。

地に足つけねば・・・

 

そんな暑さの中にでも、とても興味深い記事がある。

 

世界を変えるイノベーション(技術革新)を育んできた米スタンフォード大学が、デザイン教育に力を入れている。

工学部長、ジム・プラマー氏は言う。 有形無形のモノを構想するところから始めて実際に作り上げていくデザインの「思考」こそが、イノベーションの鍵だと。

「私たちの努めは、起業したり、会社で新しい方向を考えたりできる産業界のリーダーになるような若い人を育てることです。 それにはまず何より、しっかりとした工学の基礎が必要です。 しかし伝統的な工学教育は、イノベーターやクリエーターを育てるには十分ではない、というより、むしろ逆かもしれません。 普通の授業で学ぶのは、答えが決まっている問題を解くことですからね。 答えがない教育が、イノベーションには欠かせません」

 

「ここでいうデザインは、非常に広い意味のもので、私たちの生活にかかわるあらゆる問題の解決策を見出すことを指します。 すでに存在する課題を解くのではなく、課題そのものを見つけるところから始めてビジネスにつなげる。 これが『デザイン思考』と呼ばれるものです。

「たとえば電気もない途上国で、未熟児の命を救うための保育器をどう整備するか。 この課題を根本的に洗いなおした結果、本質は赤ちゃんの体温を保つことであり、必要なのは、電気を使わずにいかに体温を守るか、だとわかりました。 そこで発熱素材を使った20ドルほどの寝袋を開発したところ、保育器を整備するよりはるかに安く、世界的なヒット商品になりました」

 

「スタンフォードは2005年に大学院生のためのデザインスクールを開きました。 どの学部にも属さない全学的な組織というのが大きな特徴で、伝統的な教育の補完的な役割を果たしています。  問題を違った角度から見ること、学際的なチームで働くことてす。 工学だけでなく、医学、経済学、社会学、歴史学など様々な専門の学生が700人近く集まっています。 教える側も、学内だけでなく産業界の人もいる。 こうした学生や先生たちが分野を超えてチームを組み、課題について議論し、実際にプロトタイプ(原型)を作ってさらに議論して、解決策を見つけます」

「私はこうした過程を通じて、失敗を受け入れることを学んでほしいと思っています。 学生に言うんです。 新しいことをやれば、8割は失敗する。 そして、なぜ失敗したか、それを考えろと」

 

「米国には新しいことに挑戦する文化、形式張らず、失敗を受け入れて新しいアイデアを生み出す文化があるのは確かです。 しかしそれが体系だって教えられてきたわけではありません。 デザインスクールは、チームでの作業と失敗を受け入れることを方法論として教えることを目指しています。 大きく飛躍しようと思ったら、失敗が不可欠です。 このような試みは世界的な動きとなっています」

「今日の世界は、誰もが同じ土俵に上がって勝ち残ろうと必死に努力しています。 いわゆる『フラット化』した世界です。 よき学習者である中国、インド、韓国などは国際的なパワーとして育ってきました。 米国も常に新しいことに挑戦して先にいこうとしなければ、リーダーの地位を保つことはできません」

「会社もそうです。 どんなに成功していても、次世代を育てなかったら、あるいは、次のことをやらなかったら追い越されてしまいます」

「面白い時代だと思います。 イノベーションが何より重要であり、その担い手をいかに育てるか、国家間というより、地域間の競争でもあります。シリコンバレー、ノースカロライナ、ニューヨークといったように」

 

「アップル創設者であるスティーブ・ジョブズは、大学を退学して好きなことだけやればいいと、カリグラファー(文字のデザイン)の講義をとった。 それが何年か後、アップルでコンピューターを作るときに、美しい字体を実現させるのに役立った。 広い意味の教育が大事だということだと思います」

「単なる講義ではなく、グループでプロジェクトに取り組み、コンペに参加したりする。 そうした経験を積むことで、だれもが創造的になり得ます」

「デザインスクールを作ったひとつの理由は、エンジニアのキャリアを従来とは違う角度から見ようということでした。 エンジニアは、科学的な発見を人々の暮らしに役立つようにするのが役目です。 それは変わりませんが、単に機械をいじったり、コンピューターで計算したり、といったことではなく、もっと大きな、複雑な問題に取り組むのがこれからのエンジニアだと思います」

「21世紀には、20世紀と違うエンジニアが求められています。 デザインスクールでは、環境や医療など、人々の関心の高い課題に創造的に挑むやり方を教えます。 その結果スタンフォードの工学専攻の割合は、全学生の20%から35%に高まりました」

「貸し手であるベンチャーキャピタルの人たちが、次から次へとやってきて、次はどこか?とたずねます。 でも、それはわかりません。 しかし、教員や学生たちがいま、いろんなことをやっています。 特にエネルギーや環境、健康、医療の分野で起業が相次いでいます」

「25年後には、シリコンバレーはイノベーションバレーと呼ばれるようになっているかもしれませんね」

 

 

合わせて東京大学監事、元東芝研究センター所長の有信睦弘氏のコラム。

 

「企業と大学での経験から、日本での場合、イノベーションは企業でしか起きないと感じている。

様々なバックグラウンドを持った人間が共同作業で新しいものを作る。 これがイノベーションの基本形です。 核となる新しい知識が実用に結びつくには、さまざまな専門家の協力が必要なのです。

ところが日本の大学は共同作業が苦手です。 他人と違うことが学問的な鋭さであり、それを論文にして評価を得るいわば論文至上主義に支配されているからです。 異分野間で協力して新しいものを作っても論文になりにくいので評価されません。 だから技術者はどうしても、より速く、より高密度に、という方向にどんどん進んでいきがちです。 しかし、本当のイノベーションは、従来の技術を極める延長線上にはありません。 ロボットも当初は全く新しいシステムとして構想されましたが、腕や足、触覚など、細分化の方向に研究が進んでしまいました。

日本の工学は、国際的に見ていわゆるデザイン思考の訓練が足りないと2005年に指摘され、取り組みも始まっています。 大学教育の改革でもプロジェクトを通して学ばせる提案が多く出ました。 しかし、その成果に対して学位を出す覚悟はあると答えた大学はひとつだけでした。

工学は、イノベーションを生むのが務めです。 そこが真理の追究を目指す理学とは大きく違う点です。

企業との連携は重要です。 とりあえずやる、という産学連携から、新しい段階に進む必要があります。 大学と企業の間で人材の流動性が欠かせません。 大学のキャリアが一番という考えを変え、工学部には企業の経験を入れ込むこと。

世界を見渡せば、新しい提案をもとに、国境を越えて人やお金を集めてチームを組む動きが広がっています。 ひとつの分野を掘り下げることで俯瞰的な視点を持つ。 工学部は、そんな人材が協力して課題に取り組む場であってほしい。

そこに日本の産業の将来がかかっています」

 

 

 

このお二人の記事を読みながら真っ先に感じたことは・・

「はーと・ねっと・くらぶ」や「あいあいキャンプ」でやってきたことじゃん!

でありました。

理念に共感した、雑多な個性や特徴を持つ人々が集まり、主体的にプログラムチームを形成し、様々な角度からの意見を集約しながら、プログラムや環境や人間関係までを創造していく。

その創造のプロセス(過程)には、大事な大事な「体験」(もちろん失敗を含む)がギッシリ詰まっている。

そしてその体験を振り返りながら、なぜそうなったかを考え、解決策・改善策へと導いていく。

ここには、始まりに体験があるから無意味な想像をする必要もない。

プロセスを経て、行為・行動した結果である体験のみを見つめ、当初の目的である「誰のために」「何のために」が満たされたかどうかを検証するのみである。

 

ジム・プラマー氏の言う、すでに存在する課題を解くのではなく、課題そのものを見つけるところから始めることを『デザイン思考』と呼ぶという概念に沿うならば、レベルの差こそあれ、我々も少なからず「デザイン思考」を繰り返しながら12年間チャレンジしてきたのではなかろうか?

そしてそのことが、氏の言う「人を育てる」ということに、少なからず貢献できたのであれば、こんなうれしいことはないのであるが、はてさて、この結末はまだまだ先のことになりそうです。

 

世界は垣根を越えたチームを必要としているし、大小を問わず、すでにその環境を形成してきているように思えます。

あらゆる場所に、私はそのことを確認します。

お互いの知らない世界、お互いの見えない世界、これらをプロジェクト(体験するための環境)というプロセスを経て、形(結果)に現れる一連の流れをデザインし、その仕掛けを創ることができたならば、一人だけでは実現不可能であったことが、あたかも当たり前の顔をしてそこにいることになるのかも知れませんねえ。

そこにかかわるたくさんの人の喜びと共に・・・

あいあいキャンプにおける、当たり前のように起こった奇跡のように・・・

 

 

ただ、  惜しむらくは、それをビジネスにつなげる才覚が私になかったこと・・・

 

・・・ 実に惜しい 。 ?

 

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