昨日のあいキャンミーティングでは一つのドラマがありました。
先週の振り返りに続き今回も本キャン振り返りを行っていったわけですが、各プログラムの振り返りのみならず、今回からグループタイムというあいキャンを象徴する時間帯の隠れた、また知られざる姿をグループスタッフから聞ける貴重な時間でもありました。 少しずつあいキャンブログに掲載されていくと思いますのでそちらをチェックしていただければと思います。
今回のドラマとは・・ 実はキャンパーのことではありません。 そう、 あるスタッフのことについてです。
はーと・ねっと・くらぶでは必ず自分自身で選択決断する、という環境を設立以来用意させていただいておりますので、こちらが勝手に決めたり依頼することは基本的にない環境なのです。 それはあくまで 「自主性と主体性のみによりボランティアという世界は創られるものである」 という私自身の信念からくるもので、譲れないし、かつ尊重したい想いなのです。 安易に「あなたこれやってくれる」 「君はこの作業だけやってくれればいいよ」などという言葉のもとに、心の中の輝く存在(主体・良心)を無視した世界を創造したくないのです。
しかし、 残念ながらそのことを自分に都合のいいように勝手に解釈する輩は毎年のように存在します。 「主体的にサボろう」 「自主的に意見を言うまい」 「決まっていても途中で変えても自主的なら許される」・・・・・・・・ などなど。
一体何のためにこの団体に所属しているのかまるでわからないメンバーが必ず存在してくれています。 まったくミーティングにも参加せず、活動や手伝いにも来ないメンバーはもちろんのこと、参加はしてもほとんど何もしていない状況(お客さん状態)のメンバー、何もチャレンジしようとしないメンバー、約束を守らないメンバー ・・ まあ色々です。
さて、 スタッフAさんは本キャン初日の夜にある歓迎キャンプファイヤーの導入部分での大切な役割がありました。 もちろんそれまでのミーティングにおいて自分でその役割を選択したものです。 雨のため体育館でのキャンドルファイヤーに変更になりましたが、大筋の内容は同じで雨プロになっただけの話です。 いざ本番の時間となりました。 おや、 一向に始まりません。 やや遅れてやっとこさ始まりましたが、 なんか様子がおかしい・・
そのあと何とかプログラムは終了したものの、 違和感の残るイベントです。
そう、 実はAさんが担当の導入部分を直前に「メモを忘れたから出来ない・・」 ということでドタキャンしたのです。 これを聞いたBさんは誰かに相談しようとしましたがもう本番の状態です。 とっさの判断で自分で乗り切ろうと決心したそうです。 もちろんBさん自身担当ではありませんのでメモはおろか、筋書きさえない、頭真っ白状態のはずです。 その瞬間の時間の中で、しかしBさんは決断したのです。
簡単そうに見えますが、総勢50名くらいの雰囲気のある最初のイベントです。 筋書きも持たず即興でこの場を創ることは並大抵ではないと思います。 しかし、 Bさんはやりました。 その後キャンプが終わるまで、Bさんは実質的なリーダーとして頼りにされ続けたのは言うまでもありません。
さて、今回の振り返りの主人公はもちろんAさんです。 私はAさんからも事実の確認をした後言わせていただきました。 「あなたの行為はあいキャン始まって以来の出来事であるとともに、まったくもって除名処分に相当する行為である」 「キャンパーでさえ障害に関係なくチャレンジしているにも関わらず、あなたは何をやっている?」 「どんなに指摘しても話す声も小さいままだし、それも出ないのではなく出さないのだから論外である」 「チャレンジする気がないのならこの場から去れ・・」 のようなことを申しました。
その後「どうするつもりか?」と聞きましたところ、 「理不尽だとは思うけど、 ・・ここにいたい、アフターキャンプで役割を全うしたい」 と申します。 私は「そんなことでは受ける気にはならない」と返します。 沈黙が続きます。
ややあって、私は「君は信用を失った、 自分自身の手でそうした」 「だが、 人間は生きてさえいれば信用回復できるチャンスも持っている」 「これからどうするのか?」 と聞きます。 Aさんは「努力したい」 と答えます。
私はその他のスタッフにフィードバックを求めます。 一人ひとりが想いをこめてAさんに、全体に、そして私に語りかけます。 「Aさんにはこんないいところもある、生かしてほしい・・」「やり直してほしい」「チャンスをあげたい」 ・・・ 、 そして今回Aさんの代役を務めあげたBさんは、 「本当に怒りで一杯だった、許しがたいと思った、 でも今は、 それまでも、あの時も叱咤出来なかった自分にも責任を感じる、 ついつい甘やかしていた自分の姿も反省している」 ・・こんな風に語ってくれました。
私以外全員がAさんの再挑戦へのメッセージを語り終えた後、 「これで解決したわけではない、あくまで再挑戦のチャンスをもらったに過ぎない、これからの君の努力が問われる、努力なくして信用回復はあり得ない」 「仮の在籍だと心得よ」 と伝え、 しかし、 「今のみんなからのメッセージを忘れるなよ」 とも伝えるのでありました。
Aさんの涙で腫れたまぶたの奥の目は、 何かを見つめていたように思います・・ 。
さあ、 また新たなドラマが始まるのでしょうか? それとも消えていくのでしょうか? どちらでも結構だと思います。 大切なことは、 それによる結果ではなく、 そこに至る過程をどんな気持ちで過ごし、 どんなことを決断し、 どんな行動を起こしたか。 それにより何が生まれたか、 創られたか、 どんな気づきを手に入れられたか。 その気づきからまたさらなるチャレンジを生み出せるのか。 そんなことの繰り返しが、 生きていくということなのではないでしょうか?
私とて、 おんなじサイクルの中で、 生きているのです。