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ゆたかな厳冬ツーリング
2010年12月27日 | 雑記

25日のクリスマスの夕方4時、寒風吹きすさぶ夕暮れの中を2台のオートバイは松山を後に国道196を北東に向かって走り出すのでありました。

時あたかも12月とはいえ比較的暖かい日々を感じていたのではありますが、ここにきて雪の予報。 普段の生き方がいいとこうなります。  はい。

旅のつれあいは19歳のワカモノ一名。 それぞれのバイクにまたがりいざ大三島へ。

波方町を通り抜けるころには体温もいい感じで抜き取られ、いよいよしまなみ大橋へ。 予想通り橋の上では横風というか突風に飛ばされながらよろよろと、ふらふらと片側車線をフルに使いながら時に100キロくらいのスピードで早く着かぬかと思いを馳せながら、暗くなった路上に目を凝らすのでありました。   軽く意識がよそごとに行った時、大三島の出口看板にハッと気づき、間一髪で出口へ。  すでに宮窪の町は人通りもなく、暗くなった中にかすかに浮かぶ宿屋の看板にほっとしながら滑りこむのでありました。  

なんとその宿、かの有名な大山祇神社の近所にあるにもかかわらず宿泊客はどうやら私たちだけ。  まあクリスマスの日にわざわざここまで来る人もないか、と軽く考えながら宿の計らいで近所の塩湯温泉に連れて行ってもらい、ほっと一息ついた後は海の幸に舌鼓を打つわけですが ・・・

これ、誰が食べるん?? くるわくるわ。 でかい鯛のさしみ1匹と焼いたの1匹、あこうのさしみ1匹、たこ、いか、諸々の刺身、さざえのさしみと焼いたの2個づつ、オコゼのから揚げ2匹、貝の盛り合わせ多数、鯛飯3合 ・・・       食えるかっ! 

私たち、  無理でした。 とても無理です。 ごめんなさい。 1泊2食10500円、ごめんなさい。 大三島。 すごすぎます。      (翌朝のおかみさんとの会話、若い男性二人だし大丈夫と思ったんやけど、宿帳の年齢みたらお年やし・・  でも10歳以上若く見えるねー)       ・・・ 汗。

朝食も50-60畳の大広間に二人だけ・・    スゴイぜーーー、 大三島ー¥。

 

さて、 異常に腹ごしらえのできた二人はそそくさと荷物をまとめ、いざ神社参拝へ ・・

こっ、  これはいかに ・・・             人が、   ひとがおらんっ!!

 

大三島 044.jpg

何回こちらに参拝させていただいているか忘れましたが、 この広い境内に人がいない風景は見たことがないっ。   伊勢神宮の祭神天照大神の兄神である大山積神を祀る、全国1万社余りの大山積神を祀る神社の総本社であるこの場所が無人とは・・   おまけにきれいにホウキで掃き清められた庭に残るその文様はまるで雲の上のようであり、天上界にいるような錯覚さえ・・・

正直驚きながらも、 正直うれしく、 正直気持ちよく、 正直心静かに、 ゆっくりとゆっくりと境内の一つ一つのお社にご挨拶して回ることができました。  この時点で昨日の宿も 「それまで団体客が入っていたのにこの日に限ってキャンセルになってねえ」 というおかみさんの話しを思い出し、昨日といい、今日といい、どなたかのおかげでとんでもない空間世界を頂けたなあと、感慨もひとしおにお参りすることができました。    ありがとうございました。

そのあと源義経や武蔵坊弁慶が奉納した刀などが納められている宝物殿にてしばし現在を忘れさせていただいて、 さあいよいよ出発です。

この旅の目的は、あるようでない、ないようである、とだけ申し上げておきましょう。

昨日来、必死になって私の後をバイクでついてくるこの19歳の青年。 立派な不登校児童でありました。 今は退学して大検に合格しておりますが、昼夜逆転の生活は続いており、ほとんど家の中で生活しているわけです。 その彼が二輪の免許を取ったのをきっかけに一緒にツーリングに行こうと誘った話が、今実現したわけでございます。  

彼のバイクの走行距離は約600キロですので、慣らしも終わっていない新車であり、おまけに本人も新車であります。 そんな世間を知らない新車君といきなりの寒風風雪ツーリング、 素敵でしょっ。

さすがのおいちゃんもこんな時期にツーリングするの二十数年ぶりだし ・・  でも約束の方が大事です。  まあもくろみもあってのことですが・・

して、その道中やいかに。  ここまでは先導してきた私でありますが、実は昨夜のごちそうをいただきながら「明日は君に先導してもらいたいが、やるかね?」 と確認し、返事をいただいていた。

簡単に地図を見ながら単純明快な島の道路についての説明をし、ルートを決めた。 あとは彼の後について行くだけ。  それなりに緊張感をもって走り始めた彼は徐々に慣れてきたのか、それなりのペースで距離を刻んでいきますが、先刻約束していたきれいな場所があったらいつでも止まって楽しもうね、ということはすっかり忘れてただ走っているだけ。 私は自分なりにところどころ止まりながら景色を楽しんでいるのだが、彼は私が後ろにいないことにも気が付いていない。 私はペースを上げればすぐに追いつくのだが、どこで気がつくかを確かめてみようと様子を見てみた。 5キロくらい走ると気がついたようだ。 また彼は一本道だと思い込んでいるわけだが、小さな町の旧道内で見事に間違え、来た道を走り始めた。 それでも私はどこで気がつくか付き合うのであるが、これも5キロくらいで気がついた。 そこで私はバイクを降りて地図を見せながら「今まで右手に見えていた海が左手に見えていること、道路には標識や道路の番号があること、バックミラーの見方、などを教えた。  交通量の少ない島だからこそできる冒険であるのだが、たっぷりと間違える時間をいただきながら2時間半くらいかけて大三島を一周した。  私の後ろを走るだけなら自分で全く考える事もなく、感じる事もなく、無意味に近い時間だけが過ぎていく。 ところが先導することにより、ただそれだけで軽い責任を感じ始める事が出来る。 自分のせいで後ろまで影響されるという小さな事実だけで、小さな責任が生まれてくる。  そうやって注意力や集中力が磨かれ始める。  家にいたのでは一生わからないものがたったこれだけのことで体と心を一つにしながら感じ始める。 リアリティーをもって。  その後降りしきる雪の中をまた突風にあおられながら大橋を渡り、そこから松山までの帰り道も彼に先導していただく。  標識の見方を間違え一回とんでもない場所に出たりしながら・・、 その後途中の休憩所で最後に交通の流れに乗ることの大切さを教えた。 彼は前車との車間距離が開きすぎるが、自分本位のペースで後続車のいらだちの心理が分からない。  私が後ろでブロックしているからいいようなものの、一人だと完全に幅寄せなどの危険行為を受けやすい状態である。 そのあたりのことを「君が逆の立場ならどう思う?」というところから振り返る。  そして理解した彼のその後の走りはものの見事に中堅ライダーでありました。  とてもほぼ1日のツーリングでここまできたとは思えないレベルでした。  

無事に家まで送り届け、私も帰って近所のサウナにつかりながら、いろんな思いをもってこのツーリングに臨んだ彼が、今朝私とかわした約束について考えていました。  自分で決めた約束、 一般には普通のことだけれど彼にとっては並々ならぬ不安に駆られていること。  その新たな挑戦に期待はしないけれど、 私は心からエールを送り続けようと思いました。

 

寒さにすっかり同化した私の体は、風雪注意報の出る今朝でも気持ちよく感じ、朝のビルの清掃時にブルーマーブルの店長さんと挨拶を交わす時、 「今日はあったかいねー」 と言ってしまいました。   当然のごとく、 少々間をおいて店長さんは獣を見るかのような目で、体を硬直させながら  「あ、あっ、 あ・っ・た・か・い・で・す・ね・ー・」 とご挨拶してくれるのでありました。  やさしい店長さんでしょっ。  感謝。

大三島 043.jpg 

 

 

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