先日seedにてバイオディーゼルにて世界一周した山田周生さんのスライドトークショーが行われた。
バイオディーゼルとは植物性の廃オイルであればひまわりであろうが、菜種であろうが、オリーブであろうが何でもディーゼルの燃料に変換することが出来る装置を車に積んで、各国の国民から提供を受けた分だけ変換してそのまま燃料タンクに入れて走行するというもの。
まあ特許物のコンパクトな装置も凄いが、私に強烈なインパクトを与えたのはやはりその生き方と行動。
どんな国でも自然に廃油を集めてしまう人間としての魅力は本当に凄いと思う。 まあ実際ゆっくりお話させていただいたのだが、人間に対する視線、視点に格差がない。 区別差別が無いものだから相手は恐らく自分でも分からないうちに彼に心を許すだろう。 ここまで出来る生き方の原点はどこにあったのかと聞けば、「とにかくバイクに乗っていること、走っていることにしか興味が無かった、台風だろうがなんだろうが走ってないと死んでしまうくらい走ること自体が目的」 ・・ だそうだ。。
ここで私ははっとした。 ・・ 昔の俺と同じやん・・。
私も台風が来ると好んで高知の桂浜まで夜中だろうがなんだろうが走った。33号線でバイクごと吹き飛ばされそうになりながら、実際反対車線まで一瞬で吹き飛ばされながら走った。 飯よりも何よりも走ること。
それを思い出した。 私は自分は狂っていると思っていた。ずっと私の中には悪魔が住んでいると思っていた。。
でも、「ここにもいた」。 めちゃくちゃ嬉しかった。
しかし、 ここからが違う。 山田さんは51歳の現在に至るまでそのままの気持で生きてきた。その気持だけを信じ通して生きてきた。 私は途中ですり変えた。
その選択の差が、今のあり方の差となってあることが強烈に分かった。
あのままあの気持を持ち続けた時の自分が目の前にいるような気がした。
が、そんな甘っちょろい感傷はあっという間に吹き飛ばされた。
彼がサハラ砂漠をバイクでレースしているときの話も凄い。 普通はレースだから自分のことのみを追及し、人の失敗は嬉しいはず。 でも彼はどんどん困っているライダーやドライバーを助け続けて走り続ける。そうしたら助けてもらった人は全員彼を追い抜こうとはせず、彼の後ろをくっついて走り続ける。おまけにくっついて走っている人たちもそのうち彼と同じように困っている人を助けながら走り続ける。
いつの間にか競い合うレースという世界にいながら、助け合い、分かち合いながら最後その全員でゴールの海を見て感動しあうという別の価値世界を創ってしまっている。巻き込んでいる。
実はそれ以外のあらゆる世界のフィールドで彼は同じような世界を作り続けてきたようだ・・・
とてもここだけで書ききれない。すごい人と出会ってしまった。
でもこの人と出会せてくれたのが以前ご紹介した四国初のカッピング・ジャッジの人。
山田さんはこの人を頼ってきたのだ。
もはやこうなるとこの広がりは無限に続くだろう。
信頼のおける人であり、様々な体験をし、人と同化し、人を巻き込み、人を気づかせ続ける。
こういう人は最終的につながる。もともと繋がってはいたのだろうが、それぞれの旅をある程度終え、次なる旅支度のために、それまでのことを振り返るために、出会うのだろう。
この日のseedの夜は何ともいえない空気に包まれていた。
そして私は、興奮冷めやらぬ気持のまま翌日壊れたドカティを半日かけて修理し、2時間ばかりの濃いーーーーツーリングを心の底から楽しんだのであったとさ。
・・・ 再会が楽しみなひとである。